ウッド・リノベーションプラン:島津臣志

beforeafter

地域の人たちとの交流の場になる、みんなのいえ。

さまざまな活動を受け入れるワンルームの空間。

人口減少、少子高齢化対策が課題となっている地域で、空き家となっていた築30年の住宅のリノベーション。敷地は前面道路から1段高いところにあり、見晴らしがよく、目の前には川が流れ、その向こうには田んぼや畑が広がっていて、さらにその奥には小高い山の稜線が見えています。クライアントはこの自然豊かな土地での暮らしを求めて、市街地から移住してくる若いファミリーです。 今回の改修計画は、キッチン、洗面などの水廻りだけを新しくしたり、一部屋だけリフォームするといったものではなく、耐震、断熱改修をしつつ、部屋の機能を見直しながら家全体に手を加えます。この建物の隣に住宅を新築するので、この家はセカンドハウスになりますが、クライアントが望んでいるのは自分たちだけが利用するのではなく、地域の人が気軽に集会所のように利用したり、長期休暇のときには、県内外から大学生がワークショップなどで多く訪れるので、彼らを受け入れたりできるような「みんなのセカンドハウス」をつくることです。 既存の間取りは南面真ん中にある玄関から入ると中廊下が奥まで続いていて、その廊下を軸に西側にはふた間続きの和室があり、また反対側はLDKといったよくある間取りです。1階は内部の既存間仕切り壁を取り払って、耐震要素を入れながら、ガラスによる間仕切りとして、ひとつの大きな空間にしています。LDKの機能を持った部屋と打ち合わせなどに利用できる多目的な部屋があり、2階は学生の宿泊にも利用できる広い和室、色々な人から集まる予定の本を収納・閲覧できる図書室となっています。 この地に移住してくるクライアントと地域の人たちをはじめ、いろいろな人たちの交流が生まれる場所になるリノベーションの計画です。

小さな改修できづく、新しい暮らし。

リノベーションは内装を新しくやりかえるだけのリフォームと違って、既存の建物に新しい価値を見出すことが求められ ます。住宅、倉庫を店舗やオフィス等にして、使われていなかった建物が新たな使われ方をする例が増えてきていますが、こうした用途の変更や間取りを大きく変えることまでいかなくても、普段、暮らしている住宅に少し手を加えることで今までとは違った暮らし、今まで体験したことのない空間を作り出す、そんなリノベーションもあると考えています。たとえば、築100年の古民家を改修した実例では、南側には素晴らしい自然が広がっていましたが、軒が深い日本の家屋では室内からそれを見ることはできませんでした。そこで、床をもとの高さより50センチ下げることで、視線は自然と上に向かい、今まで見えなかった目の前の山や空を毎日の暮らしの中に取り込むことができました。このような少しの工夫で今まで気づかなかったことに気づいたり、生活の質を少し向上させたりする可能性を探すリノベーションに取り組んでいます。

(写真)室内から自然を見渡す

島津臣志

島津臣志

Shimazu Takashi

1979年生まれ。島津臣志建築設計事務所代表。

2002年から建築設計事務所蔵で十数件の古民家再生に携わる。2010年から(有)内野設計で住宅、店舗、歯科医院、寺院建築などに携わる。2013年、島津臣志建築設計事務所を設立。

趣味

サッカー、フットサル、ラフティング

設計で大切にしていること

そこに住む人たちが心地良く暮らせることはもちろん、周囲の人たちの暮らしと、ゆるく交わりあえるような建築をつくりたいと考えています。

これまでの設計

南佐古の家、南沖洲の家etc.

これまでの設計 これまでの設計

WEBサイト(外部リンク)

島津臣志建築設計事務所

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